笹団子 と ポスト。


今は見かけることはありませんが昔ポストは赤の
円柱型でした。


結婚前、洋服は仕立てがお上手な方がいらして気に入った生地を選び我が身を省みずスタイルブックを持ち込んでお願いしていました。(今とは逆で既製服の方が高かったように思います。)


私共の結婚式のことは以前のブログに書きましたが、夫は忙しい時で土曜日の夜行で帰省、日曜日午前中に散髪、夕方5時からのお式、その夜の寝台車で上京。
月曜の朝二人で風呂敷包みを両手に立川の駅に降り、家に荷物を置いて夫は出勤しました。


新婚旅行もなしでしたから、上京前にせめて洋服だけでもと、2着お願いしました。
スグリーンと赤
仮縫いをすませ出来上がりをいただきに行ったとき夫の実家に寄りました。(夫の実家のすぐ近くだったのです。)
「どんな洋服ですか?」と珍しくも父が訊ねたのです。
ならばファッションショーをとスカートをつまんでくるりとまわったりしながら最初は赤、次にモスグリーンのワンピースを着てみました。
息子3人の家では珍しかったのでしょう。
夫の両親はニコニコしながら眺めていました。
そして父がポツリ 「笹団子みたいですね。」と。
ウーンどういう意味??帰り道で考えました。
笹団子のように真ん中がくびれている?いや洋服がパンパンだった?赤のワンピースはどうだったのかしら?

式が終わり、私はモスグリーンのワンピースを着て皆に送られ上京しました。
夫は寝台車の上段、私は下。

この話には後日談があるのです。
その日のこと(ファッションショー)を母が弟(夫の叔父上)に電話で話したところ、
「お義兄様はお褒めになったのでしょう。赤いワンピースを着たとき、ポストみたいとはおっしゃらなかったのでしょう?」と電話でゲラゲラ笑ったそうです。
ポストなら寸胴ですものね。
その話があまりに可笑しくて私もゲラゲラ笑いました。

夫は三兄弟の長男で出来の悪い最初の嫁でしたがよくしていただきました。
父も母も今はなく淋しい限りです。